新課程1年間の反省と今後(1)

高校では理科と数学が1年前倒しで新課程に入りました。
早速1年生を対象に生物基礎の授業を行ってきました。

1.苦労した部分と反省点と

苦労したのは,発展事項をどうするのか?
教えやすくするために発展の内容を加えた方がいいのですが
すべて取り入れると,時間不足に陥ってしまう…

そこで,プロジェクタを活用し
板書(純粋に黒板に書く)時間の短縮につとめました。

こんな↓感じです。

とはいえ,効率化にも限界があります。
無理をした単元があったのは事実でしたし
生徒たちの理解・定着がどの程度だったのか不安なところもあります。

あと,無意識のうちに旧課程の内容に引きずられてしまっているのが大きな反省でした。

2.来年度へ向けて修正するために意識すること

記憶が残っているうちに授業内容を修正する必要がありますね。
この↓PDFが一番参考になるかもしれません。

河合塾 Guideline 『新課程研究会レポート』

自分の今後のために単元別にメモしていきます。

(1)生物の特徴

  • 生物の共通性:「細胞」「代謝」「生殖とDNA」「恒常性」の4つ
  • 細胞の構造:核,ミトコンドリア,葉緑体,液胞以外の細胞小器官は発展で扱われる 旧課程で扱われる程度は触れておく
  • 代謝:呼吸と燃焼の違いを扱う
  • 光合成と呼吸の詳細な経路は発展で扱われる 旧課程で扱われる程度は触れておく
  • 用語の変更による混乱を起こさない 「ラン藻」→「シアノバクテリア」,「好気呼吸」→「呼吸」,「嫌気呼吸」→「発酵」など
  • 話題として「熱水噴出孔」,「光合成生物を取り込む生物」に触れる

(2)遺伝子とその働き

  • 教科書でmRNAは本文で扱われているのに,tRNAは発展扱いであったり,DNAの半保存的複製が発展扱いだったりして,内容が中途半端であるので,旧課程の生物Ⅱ程度は触れておいた方がベター
  • 体細胞分裂時のDNA量の変化を表すグラフは教科書会社によって細胞あたりと核あたりで縦軸が異なるから,両方おさえる
  • 両方おさえるために,体細胞分裂における染色体の構造の変化をていねいに扱う
  • 話題として「ヒトゲノム計画」に触れる

(3)生物の体内環境

  • 用語の変更による混乱を起こさない 「内部環境」→「体内環境」,「体液の浸透圧調節」→「体液の塩類濃度調節」など
  • 腎臓についての扱いは旧課程とあまり変化はないが,肝臓については詳しく扱われる
  • 旧課程では模試などの考察問題で扱われたⅠ型糖尿病とⅡ型糖尿病の違いがきちんと扱われる
  • 免疫について,旧課程ではほとんど扱われなかった物理的・科学的防御が扱われる
  • ヘルパーT細胞,キラーT細胞が具体的に掲載される
  • 抗原提示する細胞がマクロファージから樹状細胞へ
  • 話題として「自己免疫疾患」,「エイズ」,「アナフィラキシーショック」,「花粉症」に触れる
  • また,腎臓などの分野は基礎なし生物でも扱われない 理系の生徒に対してどこまで忘れることを許容するかも意外とポイントになるかもしれません…

(4)植生の多様性と分布

  • 用語の変更による混乱を起こさない 「植物群落」→「植生」,「植物群系」→「バイオーム」など
  • この単元で光合成曲線を遷移にからめて扱う
  • 土壌の層状構造が扱われる 「落葉層」,「腐植層」,「母材」など
  • ラウンケルの生活形や温かさの指数も発展として扱われる

(5)生態系とその保全

  • 生態系内の炭素の循環,窒素の循環を扱うが,窒素同化・窒素固定について予め学んでいなので,そこからおさえていく
  • キーストーン種が扱われる
  • 生態系の保全に関しては温室効果,酸性雨,オゾン層破壊,富栄養化,砂漠化などの環境問題が扱われる
  • 外来生物がよりくわしく 話題として「オオクチバス」に触れる

3.まとめっぽいもの

今回の改定は変化が非常に大きいので,旧課程に引きずられることは危険ですね。
もう1年,旧課程と新課程が混在していて,両方を教えなければいけない状況もあるかと。
きちんと使い分けたいですね。

新課程についてはもう少し記事を書きたいと思います。

問題集や参考書もまだ選択肢が多いとはいえません
十分な検討は少し先になりそうでしょうか?

う~ん…

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