「グローバルで活躍できるヒトを育てるために、九州の中高生とその保護者に向けて、幅広い学び、知識に触れるきっかけと場を提供していきます!」というコンセプトのブログに,第1回目の記事を寄稿させていただきました。
ほとんど同じ内容ですが,こちらにも掲載いたします。
保護者の方がお子様の進路を考えるときに意識したい3つのギャップ
はじめまして。
私は,九州のある高校で進路指導部長を担当しています。
不定期ですが,何かしらの情報提供できればと思います。よろしくお願いいたします。
入学式,始業式から数週間が過ぎました。新しい環境には慣れてきていますでしょうか?
この時期くらいから家庭訪問や三者面談が始まる学校も多いかと思います。
その際,お子様の進路が話題になることもあるかもしれません。
さて,今回の記事のタイトルに「ギャップ」というキーワードを使いました。
過去の経験や,全国各地の先生たちとの情報共有していく中で,保護者の方がこの3つのギャップに気づくと気づかないとで,お子様への関わりが大きく違ってくるのではないかと感じています。
お子様の進路を考えるとき,お子様や学校の先生と進路についてお話をされる時に,この3つのギャップを思い出していただければ嬉しいです。
1.過去の経験と今の状況とのギャップ
保護者の方々が中学・高校時代に経験したことを基準にしていらっしゃるのを感じます(私も,自分の子供に対しては自分の経験も基準にしています)。
その基準を基に、○○をしたほうがいい,あるいはしないほうがいいと考えられることは自然なことだと思います。
しかし,中学受験,高校受験,大学受験それぞれ,大きく変化しています。
保護者の方々が高校生の時は○○大学は入りやすかったかもしれませんが現在では難しくなっている場合もあります。
共学校の良さ,別学校の良さ,私立校の良さなど,校風などの面はそれほどギャップはありませんが,入試動向などについてはギャップを意識し,今,どのような状況なのか客観的に情報を把握しておく必要があると考えます。
2.保護者の気持ちとこどもの気持ちとのギャップ
いつになっても,「最近の若い者は」って言葉が聞かれるように,世代間ギャップは当然存在します。
世代間ギャップに直接関係するかどうかわかりませんが,やはり意識の違いはあるのではないかと思います。
ここに,興味深いデータがあるので紹介します。
第6回「高校生と保護者の進路に関する意識調査」2013年
リクルートマーケティングパートナーズ
その中から1つだけ紹介します。
「進路について親子で「話す」割合は、高校生は78%、保護者は89%。保護者は話しているとの認識が高校生よりも高い。」
これは,保護者の方々は親子で話していると思っていても,高校生は話していないと思っているというグループが存在していることを示しています。
保護者の方々がこどもの意識・気持ちを普段から聞きだしているかどうかがポイントになると感じています。
3.保護者のイメージと学校のイメージとのギャップ
ある県の学校の関係者から聞いた話(もちろん脚色も加えてあります)ですが,プロジェクト型の学習に対して,教師が生徒に積極的に取り組みを促し,生徒は主体的に学習を進め,その成果は国外にも評価されたのにもかかわらず,保護者からは「大学受験に関係のない実践に時間を費やしていいのか」との声が上がったそうです。
これは,学校側の周知徹底が不十分なことも大きな原因としてあるかもしれません。
しかし,ここで重要なことは,お子様が,教科以外の学びにも積極的に,そして楽しんで参加する。
そのことが教科の学習にもつながり,進学後の生きる力にもつながるということです。
お子様が学びを楽しむ姿を実際にご覧になったり学びの様子をお聞きになったりして,その取り組みがお子様の成長にどのようにつながるかを本質的にご理解いただき,保護者の方も一緒に学びを楽しんでみられてはと思います。
さて,これらのギャップを具体的にどう認識すべきなのか,そのために重要なことは,やはりコミュニケーションかと思います。次回は,保護者の方に意識してほしいコミュニケーションの方法について,お伝えできればと思います。